公開日 2025年06月10日
2025年5月29日(木)に、広島大学東千田キャンパス内のSENDA LABにて、「エフェクチュエーションセミナー」を開催いたしました。本セミナーは島根大学の企画により、広島大学、愛媛大学、香川大学、県立広島大学、およびその他の参加校の協力のもとに実施されました。当日は、対面およびオンラインのハイブリッド形式で行われ、大学関係者および学生あわせて57名が参加しました。
エフェクチュエーションとは、サラス?サラスバシー博士によって提唱された、変化の激しい時代において起業家(企業家)が成果を上げるための理論的フレームワークであり、以下の5つの原則から構成されています。
1.手中の鳥の原則
2.許容可能な損失の原則
3.レモネードの原則
4.クレイジーキルトの原則
5.飛行機の中のパイロットの原則
セミナー冒頭では、島根大学オープンイノベーション推進本部長を務める松本 真悟 副学長よりご挨拶をいただきました。続いて、神戸大学大学院経営学研究科の栗木 契 教授より、「企業家のためのマーケティング:エフェクチュエーションをもとに」と題したご講演がありました。
島根大学 松本 真悟 副学長(オープンイノベーション推進本部長)の挨拶 神戸大学大学院経営学研究科 栗木 契 教授
栗木教授の講演では、足球即时比分の昔話「わらしべ長者」を例に、偶発的な出会いや行動が新たな価値を生み出すプロセスが紹介され、エフェクチュエーションの考え方と共鳴する点が多いことが示されました。その後、参加者はグループに分かれ、「わらしべ長者」を題材にディスカッションを行いました。さらに、マーケティングのフレームワークとエフェクチュエーション理論を結びつける実践的な例として、「カップヌードル」の事例が紹介され、参加者の理解を深めました。
続いて、(株)エル?ティー?エスの鈴木 稔 マネージャーからは、実務現場におけるエフェクチュエーションの適用事例についてご講演いただきました。特に「Known領域」と「Unknown領域」という概念に基づき、能力の有無や対象の既知/未知の違いを軸とした意思決定の在り方について解説があり、参加者にとって理論と実務の接続を考える貴重な機会となりました。
最後に、PSI共同代表の滝上 菊規 氏より閉会のご挨拶があり、盛況のうちにセミナーを終了いたしました。
株式会社エル?ティー?エス 鈴木 稔 マネージャー PSI共同代表 滝上 菊規 氏の挨拶
今後、島根大学では、広島大学を含むプロジェクト参画大学(全17大学)との連携を一層強化し、アントレプレナーシップ教育の推進や教職員のスキル向上に向けた取り組みを展開していく予定です。
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オープンイノベーション推進本部
Tel 0852-32-9718